コンテンツへスキップ →

books


藤山一雄の博物館芸術

満洲国国立中央博物館副館長の夢

犬塚康博 著
共同文化社
四六判 336頁
本体3200円+税
978-4-87739-283-3
2016年4月16日刊

満洲国国立中央博物館副館長、藤山一雄。明治22年山口県生まれ。岩国中、五高、東京帝大と進み、下関の梅光女学院教員を務めたのち満洲に渡る。満鉄傍系会社を経て満洲国建国に参加し、実業部、監察院、恩賞局の要職を歴任、博物館へ。新しい博物館をめざし、日本人初となる大規模な民俗博物館を推進した満洲国の博物館運動は、藤山一雄の芸術的創造、博物館芸術であった。昭和50年、85歳で永眠。

目次

はじめに


『新博物館態勢』の徴候—「博物館小考」
ダブルアレンジメントの先駆—「新博物館の胎動」
二重性の博物館論—『新博物館態勢』


藤山一雄と満洲国の民俗博物館
民俗博物館生活展示の難題
藤山一雄の学芸員論
[補説]藤山一雄の博物館は恩恵だったのか—学芸官と民衆
藤山一雄の小型地方博物館論


二つの「博物館国家」
屹立する異貌の博物館
産業と博物館と藤山一雄
[補説]機能主義ならざるもの、反博物館

おわりに

藤山一雄略年譜
藤山一雄主要編著書

図・表一覧
初出一覧
索引



反博物館論序説

20世紀日本の博物館精神史

犬塚康博 著
共同文化社
四六判 296頁
本体3000円+税
978-4-87739-262-8
2015年2月14日刊

満洲国の新博物館態勢、日本の大東亜博物館、地域博物館、第三世代の博物館、企業博物館、ミューズランド…。それらはすべて、否定される博物館を構えてい た。発展史観という仮構を生かされたのが、20世紀日本の「博物館」であった。しかし、宮澤賢治「銀河鉄道の夜」のプリオシン海岸でボスの化石を発掘する 大学士と、日本モンキーセンターの広瀬鎮は、「反博物館」を先駆的に体験していたのであった。

目次

はじめに

第1章 博物館近代化の前夜—1900~1920年代
第1節 学校のなかの標本、学校の延長の博物館
第2節 藤山一雄の初期博物館論

第2章 満洲国の博物館近代化—1930・1940年代(1)
第1節 満洲国国立中央博物館の運動
第2節 藤山一雄の博物館論

第3章 自然学者の博物館近代化—1930・1940年代(2)
第1節 自然博物館から大東亜博物館へ
第2節 大東亜博物館と木場一夫の博物館論

第4章 博物館の構造化—1950年代
第1節 博物館法の博物館論
第2節 鶴田総一郎の博物館論と現実

第5章 博物館の戦後化—1960・1970年代
第1節 広瀬鎮の博物館論
第2節 伊藤寿朗の博物館論

第6章 博物館のサブカルチャー化—1980・1990年代
第1節 教養主義と「歴史の終焉」
第2節 ミュージアム・マネジメントと「国民」の崩壊

おわりに
索引

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です