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タウト

30余年前に書いた書評の注で、網戸武夫氏が引用したブルーノ・タウトの文章を、その旨明記して孫引きした。網戸氏が出典を書かれておらず、急いで原典にたどり着けなかったからである。

その後手がかりを求め、たとえば、1994年に京都国立近代美術館で開催されたタウトの展覧会へ行ったり、思い出しては、タウトの著作集を借りて探したりしたが、成果はなかった。

きのうカスパー・ケーニッヒ氏を追悼する文章に接し、ドイツ人のタウトが思い起こされ調べてみた。すると、タウトの同じ文章を藤井正一郎氏が引用しているのを知った。訳文が網戸氏とは多少異なるのと、引用部分が長い。

藤井氏による引用のある章の参考文献にタウト自身のものはなかったが、洋書が2件載っていたので、ネットで検索してみた。するとそのうちの1件、バーバラ・ミラー・レーン氏のものが、とあるサイトで閲覧でき、タウトの同じ文章(英文)がそこでも引用されていた。出典も書かれてある。

出典となるタウトのその著作は邦訳されていないらしい。原書はGoogle ブックスにあったが、プレビューが使えない。しかし検索すると、当該箇所のスニペットがあらわれ、確かにその著作にくだんの引用文のあることがわかった。

原書の所蔵は国内に5件ほどで多くない。地元の図書館を煩わせて取り寄せるのが、今回はなんとなく躊躇われ古書を探してみたところ、外国の古書セラーにあった。手が出ないわけではないが、本体+送料は高価。オンデマンドプリントの複写版があり安かったので注文する。ちょっと時間はかかるけれど。デリーから届けられるそう。

きのう、長年の懸案事項が少し動いた。

カテゴリー: miscellaneous

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