宙に剥き出しの丘の上に立って
ぼくたちはときめいていた
時間の意味を考えていた
朝も昼も夜も
ひとり去りまたひとり去る
あの町に知る人もなく
夢のまわりで戯れていた
美しい町よ麗しい人よ
本を読みかけで通りに飛び出して
ぼくたちはジグザグしていた
世界の意味を探していた
きのうもきょうもあすも
ひとり去りまたひとり去る
あの町に知る人もなく
夢のまわりで戯れていた
美しい町よ麗しい人よ
きみの過去もきみの未来も
このぼくには決して届かない
いまがただ過ぎていただけ
美しい町よ麗しい人よ
ひとりいま夢の跡に立つ
遺されしもの一欠片もなく
墓の下で逢えるだろうか
美しい町よ麗しい人よ
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