17 5月 2004

俺の石器時代─貧しさの研究

Posted by fische on 05/17 at 12:00 AM

image最初、その展覧会のタイトルは「俺の石器時代─貧しさの研究」を予定していると、彼は書いていた。そう告げた2002年8月21日付のメールには、「真剣です」とも添えられていた。「公」の衣を借りてこっそり「私」を執行する、あるいは公私混同の世人の常にあって、「私」の貫徹を通じて「公」に至らんとするスタンスに潔さを感じた。だがその展覧会は、「豊かさの研究 石器時代から見る未開と文明」に落ち着き、2003年1月25日から4月6日にかけて、相模原市立博物館で開催された。遠かったが、「俺の石器時代─貧しさの研究」に惹かれて観に行くことになる。そのときに逢ったのが最後で、その後彼は他界する。1年前のきょうのこと。

その彼の本、『古代民衆寺院史への視点』(岩田書院)が出来上がった。きれいで優しい感じの装丁。彼の展覧会のポスター・チラシ類をデザインした人の手になる。彼の好きな雰囲気だったのだろうが、これと彼を表象するデザインとは別のような気もする。だがしかし、よくよく考えると、案外彼はこのデザインのような人だったのかもしれないと思えてくる。ここに蒐められた書きものも、結論部分でいつも遠慮しているようにみえるからだ。だからこそ、「俺の石器時代」と言うことのできる彼が、この本、あるいはもっと別のどこかに隠れているに違いないと思って、ついつい探してしまうのである。木村衡さん、闘病中だったのに2度もたずねてくれてありがとう。

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